理想と現実
2006.10.05
デザインブリーフには発案者の世界が広がり、少々嘘っぽかったり信じ難い内容でもあったり。それでも発明が人々を驚かせたり莫大な利益を生み出したりしているのは、発案者の「嘘」や「現実逃避」が現実のものになったからに他なりません。
そんなわけで、夢いっぱいのデザインブリーフの後は、それら夢物語を現実の世界に引っ張ってくる作業が始まります。いわゆるプルーフィングというやつです。
ブリーフの中で挙がっている仮定に対し、それが実現可能なものか、メリットはあるのかなど、テクニカルな話しやマーケティング的な側面などを検証していく作業を始めるわけです。
"「彼」が自分のパソコンに電話を掛けて「週末に初対面の大口クライアントとミーティングがあるから、登録してあるスーツに合うシャツとネクタイを間に合うように買っておいて。」と言うだけでショッピングが出来てしまう機能"
・・・みたいな仮定をしたとする。これをご覧の多くの人は「まぁ、出来なかないだろうけど・・・」と尻込んでみたりすると思います。でも数年後にはこんな世の中になってるかも、って想像もつきます。
ここで検証しなければならないのは、口語音声に対応するハードウェアと、それを受け入れる回線、オーナーの価値観や持ち物などのデータを蓄えるベースにそれらを加味して検索できる知能。そしてそれを受け入れることのできるショッピングシステムや決済システム。
とてつもなく壮大なプロジェクトに聞こえますが、意外に一つ々つを潰していくと無理な話でもなかったりします。現にこの手のプロジェクトは割りと小規模な企業がスタンバイしてたりします。
「なんだそんなことかぁ~」といった中身で儲けているWEBサイトは、こういった小刻みなプルーフィングを地道に行い、実行してきた結果。「簡単」の積み重ねと応用が新たな発明を生み出すと言えます。デザインの成功の鍵を握るのはどんな製品でもこのプルーフィングに尽きます。ので、「仮定→プルーフィング」の作業は例え小規模なプロジェクトであっても、成功のためには絶対に外せない作業なのです。
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カテゴリー:技術情報メモ