本来のRAIDの目的は可用性ではなく性能向上だった
2007.03.15
RAIDの考え方を世に公表した論文では,どちらかといえば性能向上を目的としていた…というお話.
RAIDのコンセプトを発表した論文は以下のものである.
A case for redundant arrays of inexpensive disks (RAID)
本文はACM会員でないと読めないがabstractは誰でも読める.このabstractを読むと,ディスクI/Oの性能向上がCPU・メモリの性能向上に対抗しないせいで,CPU・メモリの性能向上を無駄にしていると論じている.さらにメインフレームなどに使われるSingle Large Expensive Disks (SLED)は記憶容量の増大に対して性能向上が緩やかであると述べている.
ちなみに比較対象とされているIBM 3380はこんなのみたいです.これがディスクのみ.
で,著者たちはこれらの問題に対してPC等で使われる安価なディスクドライブを使ったRAIDというストレージシステムを提案している.''reliability''の向上にも言及しているが,abstractを読んだ限りでは性能向上が主目的である.
以上,RAID誕生に関するちょっとしたトリビアでした.
カテゴリー:技術情報メモ